呉市教育委員会 教育長の挨拶
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 呉市教育委員会教育長
  長谷川 晃
  昨年の3月11日の東日本大震災から1年。復興への歩みの中で,東日本の子どもたちにも春は巡ってきております。一日も早い復興をめざして,さらなる支援が求められております。今こそ全国民が一丸となって支え合っていく必要を感じております。
 さて,今年は例年になく厳しい寒さが続き,桜の開花も遅れましたが,小・中学校の入学式に合わせるかのように,呉市内の至る所で満開の桜が見られました。明るい春の景色に迎えられて,市内各学校で厳粛且つ温かい雰囲気の中で入学式が執り行われたことは,子どもたちの明るい未来を象徴しているようで,我々の心にまで希望の光が届いてきたような気がしました。この日を起点として,子どもたちは生涯にわたって本格的に「学ぶ」という道を歩み始めることとなります。

 さて,日本を代表する彫刻家に,平櫛田中という方がおられます。この方は,明治・大正・昭和の三つの時代を生きられ,90才で文化勲章を受賞し,93才で東京芸術大学名誉教授となられた方です。彼は,自分が納得いくまで試行錯誤を繰り返し,107才で天寿を全うする直前まで彫刻を彫り続けられました。「六十・七十は鼻たれ小僧。男ざかりは百から百から。せくな,いそぐな,来世もあるぞ。」彼のこの言葉には生涯にわたって学び続けよう,誰から命じられるわけでもなく自らの意志で自らの進むべき道を自由に切り開いていこうとする強い意志が感じられます。
 平櫛氏のこの言葉から,私は改めて,「人は何のために学ぶのか」と考えずにはいられません。「学ぶ」とは,まさに「自由」になることなのです。
 入学してきた子どもたちには,まずはこのことを教えてやらなければなりません。学べば学ぶほど,自分の世界は拡がり,自らの意志で好きな道や様々な進路を選ぶことができます。また,人の意見に従うことなく,自分の意見を述べることもできます。「学ぶ事とは自由になるためであり,それは自立につながる」と私は子どもたちに教えてやりたいと思っています。
 呉の子どもたちが,学力や体力をさらに向上させ,子どもたちの顔に達成感に満ちた輝く笑顔が見られるよう家庭・学校・行政が手を携えて努力して参ります。

 呉市には生涯に渡って学べる文化施設やスポーツ施設が充実しています。そして市民の多くの方々が学ぶ楽しさを知っておられます。呉市民が生涯にわたって笑顔で学び続けることができるよう,さまざまな機会を提供していきたいと考えております。
 平成24年度も引き続き,呉の学校教育,社会教育等の教育行政の推進について皆様のご協力をお願いします。