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令和元年度 総務委員会行政視察報告

期日

令和元年10月7日(月曜日)~9日(水曜日)

視察委員

藤原広(委員長)、小田晃士朗(副委員長)、奥田和夫、藤本哲智、山本良二、渡辺一照、岩原昇

視察都市

月   日視 察 先調 査 事 項
 
10月7日(月曜日)千葉県佐倉市ファシリティマネジメントの取り組みについて
10月8日(火曜日)神奈川県海老名市
10月9日(水曜日)神奈川県大和市

視察目的

 呉市では、平成28年3月にインフラを含む公共施設等の更新、統廃合、長寿命化などの行動計画である「呉市公共施設等総合管理計画」を策定し、その中に総延べ床面積を30年間で3割削減する、施設を整備する場合は適正な規模等を検討する、合理的で効果的な資産経営をするという基本方針を定めている。現在は、この基本方針を達成するため、個別施設ごとの具体の対応方針である「個別施設計画」の策定中である。
 このたび、呉市公共施設等総合管理計画の基本方針を達成し、個別施設計画をよりよいものにするため、公共施設の集約化・複合化に焦点を当てたファシリティマネジメントの先進事例を調査した。

千葉県佐倉市

(1)調査内容

 平成20年9月に佐倉市ファシリティマネジメント推進基本方針を策定し、平成22年6月には建築指導課、管財課、営繕課や企画政策課などのファシリティマネジメント部門を統合して、30名体制で資産管理経営室として公有財産管理、有効活用の促進、情報収集、整理、分析などの業務を所管している。
 志津市民プラザや市立図書館の複合化の事例、PFI事業による学校空調設備整備の実施、学校のプールを取り壊して水泳の授業に民間プールと民間スイミングスクールを活用するなど,ファシリティマネジメントの先進的な取り組みをされていた。

(2)質疑応答

 公共施設の数十年後の運用方針、長寿命化の考え方及び民間企業の導入の可能性について質疑を行った。
 また、施設を集約化、改修するに当たっての市民意見の把握状況について質疑を行った。
 そのほか、個別施設計画の進捗状況及び組織体制について質疑を行った。

(3)呉市での展開の可能性

 延べ床面積を削減するためには、公共施設を集約化及び複合化をして量を減らしながらも質を高めていかなければならず、建築技師をファシリティマネジメント推進体制に加えると具体的に考えていけるとの説明を受けた。例えば、数十年後に公共施設に求める市民ニーズが変わった際に、建て替えをすることなく機能変更等ができるよう建築方法を工夫するなどの将来を見据えた対応ができ、呉市においても、市民から意見聴取をして具体的な施設の集約化及び複合化を考える段階になった際は、組織体制の見直しを視野に入れて取り組む必要がある。
 また、公共施設の集約化及び複合化を推進していくに当たっては、ライフサイクルコストや稼働率を細かく分析して、施設や機能の必要性を見極めるという手法も大変有効であり、呉市においても、集約化及び複合化等を考えていく中で取り入れる必要があると考える。
 佐倉市では、現在個別施設計画をもとに、実際に集約化及び複合化を進めているが、公共施設の削減ありきではなく、市民サービスを維持向上させていくために知恵を絞り、その結果、具体的にどの施設を削減し、集約化及び複合化を考えていくことが大変重要であることを聞き、改めて市民ニーズの重要性を再認識した。

神奈川県海老名市

(1)調査内容

 海老名市中央図書館は、もともと図書館、青少年相談センター及びプラネタリウムの複合施設であったが、平成27年10月に全館を図書館として改修しリニューアルオープンした施設である。
 平成23年度から業務委託を開始して、平成26年度からは指定管理者制度を導入したことにより、365日開館、開館時間は9時から21時へと延長し、キッズライブラリーの設置、目的外使用許可によるスターバックスコーヒーと蔦屋書店の併設などの新たな取り組みが行われ、来館者数が約2.6倍に増加した。この改修に係る工事費は約10億6,000万円であり、2期目となる令和元年度から令和5年度までの5年間の指定管理料は約20億2,100万円となっている。

(2)質疑応答

 指定管理者との連携方法や指定管理者制度の導入による変化についてなど、指定管理者について活発な質疑を行った。
 また、リニューアルオープン後の来館者増加の要因や来館者意見の把握状況について質疑を行った。

(3)呉市での展開の可能性

 指定管理者制度によって民間企業の斬新な考え方を取り入れることにより、市民のニーズが満たされ、利用率が大幅に向上している点は大変参考となった。この点については、全国的にツタヤ図書館を展開している指定管理者のノウハウが最大限に生かされたことにより、市民のニーズが実現されている結果だと考えられ、呉市においても施設の集約化及び複合化する際には参考にすべきであると感じた。
 指定管理料は、令和元年度から令和5年度までの5年間で約20億円であり、経費的な負担は少なくないが、民間企業のノウハウ導入によるにぎわい創出の手法は呉市でも参考にすべきであると感じた。

神奈川県大和市

(1)調査内容

 文化創造拠点シリウスは、生涯学習センター、図書館、芸術文化ホール、屋内子ども広場、市役所の連絡所やスターバックスコーヒーなどの複合施設として整備されていた。
 当初はショッピングセンターやマンションを中心とする再開発ビルを建設するスキームで、再開発事業として進められていたが、リーマン・ショックの影響などにより事業計画の変更を余儀なくされ、大和市が保留床の95%を147億円で取得し整備した。大和市では、総合計画の柱を健康としており、施設全体のコンセプトを図書館を中心とした市民の居場所空間づくりとして、飲食可能スペースや、静かに過ごせる有料スペースを設けるなどして、さまざまなニーズに対応できるようになっていた。オープン当初から指定管理者制度を導入して目的外使用によるカフェ運営事業を提案することを条件として公募し、現在6社の共同事業体により運営していた。大和駅から徒歩3分の好立地ということもあり、オープン後4カ月半で来館者数が100万人を超えるなど、にぎわい創出の空間となっている。年間指定管理料は約7億9,000万円である。

(2)質疑応答

 複数の指定管理者と市の連携方法や指定管理者同士の連携方法について質疑を行った。
 また、施設の階層ごとの来館者の利用状況や来館者意見の把握状況について質疑を行った。
 そのほか、施設の建設経緯について質疑を行った。

(3)呉市での展開の可能性

 施設全体のコンセプトを図書館としており,どの階層においても本が手に取れる環境となっていた。呉市で同じコンセプトの施設をつくることは難しいが,集約化及び複合化するに当たってどのような機能をまとめれば市民が使いやすいか,どのように利用されるのかを想像の域を超えて具体的に見て感じ取ることができ,施設を改修する際には参考にできる点が大いにあると感じた。また,施設のいくつかの部分に大和市総合管理計画の柱である健康を意識した部分が取り入れられており,市民の要望を形にすることも大事であるが,市としてどういう施設をつくりたいかというコンセプトを強く持った上で民間企業のノウハウを生かしていた点も施設を改修する際には参考にすべきであると感じた。